停滞するアルコール市場―Z世代の3人に1人が飲酒経験なし、「ゼブラ飲み」も広まる

英国の市場調査会社ユーロモニターインターナショナル(以下、当社)は、『アルコール飲料世界市場レポート』2025年版(World Market for Alcoholic Drinks 2025)を発表しました。

22 October 2025 Tokyo
  • 2024年のアルコール飲料世界市場は、前年比成長率0.6%で停滞続く
  • アルコールとノンアルを交互に楽しむ「ゼブラ・ストライピング」の広がり
  • 健康志向による飲酒抑制―世界では53%が飲酒量削減に努め、Z世代の36%が飲酒経験なし
  • ノンアルカテゴリーが大きく成長、2025年から2029年の間に数量ベースで24%の成長見込み

 

アルコール市場の成長は停滞、ゼブラ飲みが若年層中心に広まる

同レポートによると、2024年のアルコール飲料世界市場は2,530億リットルに達したものの、前年比成長率(数量ベース)は0.6%に留まり、成長の停滞が続いています。こうした状況の中、消費者の間ではアルコール摂取を抑えるための「ゼブラ・ストライピング」が広がっています。「ゼブラ・ストライピング」とは、一度の社交の場で、アルコール飲料とノンアルコール飲料を交互に飲むことで、飲酒量を調整する行動パターンを指します。このマインドフルな飲酒スタイルは全世代・全属性に広がっていますが、特に若年層でその傾向が顕著です。

 

Z世代の3人に1人が飲酒経験なし

当社が実施した世界消費者調査「ボイス・オブ・ザ・コンシューマー:ヘルスアンドニュートリションサーベイ」2025年版(20か国、計14,330名を対象)によると、アルコール消費に対する意識は世界的に変化しています。

2025年に「週1回以上飲酒する」と答えた人は17%で、2020年の23%から6ポイント減少しました。
時折アルコールを飲む人のうち、53%が「飲酒量を減らそうとしている」と回答しており、5年前の44%から9ポイント増加しています。
また、アルコールを「全く飲まない」と答えた人の割合も2020年から3ポイント上昇し、31%になりました。この傾向は特に若年層で顕著で、法定飲酒年齢に達したZ世代の36%が「一度もアルコールを飲んだことがない」と回答しています。

節酒志向の高まりの主な理由は、「健康でいたい」「長期的な健康リスクを避けたい」(87%)であり、加えて「節約したい」(30%)、「睡眠の質を改善したい」(25%)といった実利的な動機も挙げられています。

 

ノンアルカテゴリーが急成長

アルコール飲料全体の成長率は低迷している一方で、ノンアルコール飲料市場は急成長しています。例えば、ノンアルコールスピリッツの販売量は前年比17%増、ノンアルコールRTDの販売量は前年比14%増、ノン/低アルコールビールの販売量は前年比11%増、ノンアルコールワインの販売量は前年比7%増と、いずれもアルコール飲料を大きく上回る成長率を記録しています。ノンアルコール飲料の世界市場*は、2025年から2029年の間に総量で24%成長し、2029年には102億リットルを超える見込みです。

(*)ノンアルコールスピリッツ、ノンアルコールRTD、ノン/低アルコールビール、ノンアルコールワイン、ノンアルコールサイダー/ペリーを含む

当社アルコール飲料部門グローバルインサイトマネージャーのスピロス・マランドラキスは次のように述べています:

「アルコール飲料業界が複雑な課題に直面し続ける一方で、大人向けノンアルコール飲料市場はさまざまなカテゴリーで著しい成長を見せています。その持続的な成長は、消費者の嗜好を変えるだけでなく、飲酒習慣や社交の場のあり方も再定義しています。ノンアルコール飲料はもはやニッチな存在ではなく、人々が楽しみや祝福の場で選ぶ中心的な存在となりつつあり、イノベーションや市場再編の新たな機会をもたらしています。」

より詳しい事例やデータをお探しの方は、 『アルコール飲料世界市場レポート』2025年版(World Market for Alcoholic Drinks 2025) をご覧いただくか、弊社までお問い合わせください。

– 以上 –

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ユーロモニターインターナショナルについて
ユーロモニターインターナショナルは、英国ロンドンに本社を置くグローバル市場調査会社です。世界16か国にオフィスを構え、100か国に現地アナリストを配置し、市場分析レポートや最大世界210か国を網羅するデータベース、そしてカスタマイズ化されたコンサルティング調査をもって、企業の皆様の、いつ、どこで、どのようにビジネスを成長させるべきかという意思決定のお手伝いをしています。戦術的(Tactical)かつ戦略的(Strategic)である当社の調査ソリューションは、最新のデータ分析技術を利用、都市圏単位からグローバル市場までをカバーし、世界市場の様々なトレンド・成長要因に関する情報を提供することで、事業における優先順位の見極めや仮説の見直し、潜在的なビジネス機会の発見にお役立ていただけます。 

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