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省エネ×快適×スマートで進化する家庭用空調:HVAC&R JAPAN 2026イベントレポート

2/3/2026
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はじめに:イベントの位置づけと来場印象

2026年1月30日、国内最大級の「冷凍・空調・暖房展」であるHVAC&R JAPAN 2026を訪問しました。会場は最終日ながら活気があり、業務用のシステムが多数を占めつつも、家庭用の展示も一部に見られました。とくにルームエアコンや関連ソリューションの“生活者目線”の訴求が見られ、空調の役割が単なる温度調整にとどまらない段階へ移行していることを実感しました。

会場で見えた4つの潮流

① 省エネ・新基準先取り

2027年度から始まる省エネの新基準を見据え、各社は「既に適合」や「低負荷(低出力)時の効率最適化」を前面に出していました。日立グローバルライフソリューションズ/ボッシュホームコンフォートジャパンは、低出力運転域でのさらなる省エネ化を「LAB制御」という機能で打ち出していました。

hitachi global life solutions bosch comfort japan lab control

② ウェルネス/衛生文脈への拡張

空調は空気質(におい・カビ・菌)対策とも密接不可分です。パナソニックはナノイー技術でのカビ抑制を、スーパーマーケットでの採用事例も交えて説明し、空調の価値を“体感の質”まで拡張していました。一般的に空気清浄機として認知される同社の「ジアイーノ」の訴求も「脱臭」や「ワンランク上の快適な空気質」でした。

③ スマートホーム/IoT統合

家中の空調機器をアプリで一元管理し、帰宅前の予冷・予暖や生活動線に合わせた自動制御を実現する提案も見られました。エアコンは、装置単体で語るのではなく、住まい全体の最適化のためのパーツとして語る時代になったと言えるでしょう。 2024年から国内の家庭用エアコン市場に参入したハイアールは、清潔・AI・快適の三点を柱に展示を行っていました。

④ デザイン性・空間調和

インテリアとしてのエアコンを魅せたのはダイキンです。「The Art Line」の製品をズラッと並べた展示は圧巻でした。 

daikin the art line picture

空間調和ソリューションとして三菱電機が紹介していた、脱衣所やサービスルームなど“エアコンを置けない小空間”へダクトで風を送る仕組みである「Good Share!」も印象的でした。全館空調よりも設計面でも金額面でもハードルの低いソリューションは、生活コストが相対的に高まる中でこそ生まれたものに思えました。

生活と市場にとっての意味

家計直撃の“電気代インフレ”に、省エネは最重要テーマ

ユーロモニターのデータでは、2019年から2025年までに電力への消費者支出は19.5%増。一方、同期間の可処分所得の伸びは9.1%に留まります。省エネや省電力の機器やシステムをインパクトの大きいところで選ぶことは、生活防衛の観点からも優先度が高いと言えます。 

disposable income and consumer expenditure on electricity 2019 2025

出所:ユーロモニターインターナショナル Passport

空調は、家庭のCO₂削減インパクトが大きい

環境省の統計では、家庭のCO₂排出に占める暖房と冷房の合計は23.8%。給湯と並ぶ“重い”領域です。空調の高効率化は、脱炭素と家計負担の双方に効いてきます。 省エネ性能の良いエアコンの重要性は、電気代が上がるにつれて高まるのです。

QoL(生活の質)への寄与

空調は、においやカビの抑制、部屋間の温度ムラの解消など、生活導線そのものを最適化する“住まいの基盤”へと役割を広げています。インテリアとしてのエアコンも、 スマートハウスの一環としてのエアコンも、QoLの向上に役に立ちます。

おわりに:空調は“家のキーコンポーネント”へ

今回の展示会を通じ、空調は「風を通す、空間を温める・冷やす」だけでなく、家計・環境・ウェルネス・QoLの結節点に立つキーコンポーネントだと再認識できました。市場面でも、エアコンが白物家電全体の販売金額に占める割合は、2015年の30.7%から2025年には33.3%、2030年には34.7%に達する見込みで、需要の底堅さがうかがえます。次の数年、各社の省エネ・IoT・デザインの三位一体の進化に期待したいです。 

Percentage of air conditioners within consumer appliances in 2015 2030

出所:ユーロモニターインターナショナル Passport

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